弥五郎どん祭り
巨体が歩く?!
曽於市大隅町の伝統「弥五郎どん」
毎年11月3日は、曽於市大隅町で「弥五郎どん祭り」が開催されます。今年も、岩川八幡神社から、4メートル85センチの大男「弥五郎どん」が勇ましい姿で、現れました。
弥五郎どんの身長は、4メートル85センチの竹籠製です。25反の梅染の着物を身にまとい、腰には4.24メートルの大刀と2.85メートルの小刀を帯び、手には3.81メートル鉾を持っています。
弥五郎どんの歴史、実は3兄弟?!
弥五郎どん祭りは、おはら祭り(鹿児島市)、お釈迦まつり(志布志市志布志町)と並び県下三大祭りであり、約900年の伝統があります。
始まりは、 飛鳥時代に隼人族と朝廷軍の戦いにより、隼人族の戦死者が多く慰霊のため放生会だったとされています。
「弥五郎どん」は、調停に抵抗した隼人族の首領、6 代朝廷側の武内宿禰など様々な説があり、未だはっきりしていないようです。
弥五郎どんは三兄弟で、岩川八幡神社の弥五郎どんは次男。長男は都城市山之口町にある的野神社の弥五郎どん、三男は日南市飫肥にある田ノ上八幡神社の弥五郎どんと言われています。
(長男)的野神社の弥五郎どんは、身長4メートル、頭に鉾を付け赤い顔に黒ひげを生やし、麻布の着物を身にまとい、大小の刀を差しています。祭りは、毎年11月3日に行われています。
(三男)田ノ上八幡神社の弥五郎どんは、風貌は山伏のような格好をして、身長7メートルだそうです。巨大なため、現在は引くことはできないようですが、毎年11月23日にはその姿を見ることができます。
「弥五郎どんが起きっど〜!」
弥五郎どん祭り当日は、午前1時「弥五郎どんが起きっど~」とふれ太鼓(神事)により、祭りが始まります。
午前4時の「弥五郎どんお起こし」に参加すると、「身体が強壮になり、運気ますますめでたくなる」と言われています。
ミニ弥五郎どんも発見
午前11時15分より支柱パレードで通りを賑わせます。
12時半頃には、岩川小学校に到着します。
八幡神社の前は大賑わい!
そしていよいよ午後1時より、八幡神社より弥五郎どんが勇ましい姿で登場です。
午前中も見物人が多かったのですが、午後12時半を過ぎると、八幡神社の前には一目弥五郎どんの姿を見ようと大勢の人が集まりました。
最初の注目ポイント!
4メートル85センチと背の高い弥五郎どんは、大きな鳥居でも気をつけてくぐらなければなりません。
弥五郎どんが鳥居をくぐる瞬間は、少し緊張の雰囲気。
見事にくぐると、大勢の歓喜とカメラのシャッター音が聞こえ、活気に満ちあふれていました。
その後、弥五郎どんは大隅町の市街地へ。
もちろん、人は上に乗ったままです。
取材班も弥五郎どんを追いかけて歩きます。
約5キロを「ドンドン!」進む
市街地へ出ると、太鼓の音と威勢のよいかけ声で約5キロを歩きます。
電線をたくみにくぐりぬけながら、上手に街を進んでいきます。
通りは一気にお祭りムード。
子供達も、一生懸命太鼓を叩きながら歩いていました。
しばらく進むと、このお祭りの名所「弥五郎どんのイナバウアー」のポイントが見えてきます。
おお、あれがウワサの…?
取材班も心躍ります!
弥五郎どんを追い越し、名物「弥五郎どんイナバウアー」(岩川高架橋くぐり)を撮影しようと先回りすると、そこには同じようにイナバウアーを見ようと集まった観客でいっぱいでした。
見よ!これが名物「弥五郎どんのイナバウアー」だ!
名物「弥五郎どんのイナバウアー」岩川高架橋くぐり
そして、いざイナバウアーが始まると観客の歓喜の声と拍手であふれ、見事なイナバウアーにその場にいた人々は目を奪われました。
弥五郎どんの上に乗っている人も、顔色ひとつ変えず、大きな弥五郎どんに負けないくらい威風堂々な姿です。
前だけを見据るその様子や、力強い太鼓の演奏、その姿に元気をもらうことができました!
奉納武道大会、スポーツ、神振行事も
その他にも、相撲・剣道・柔道・弓道・空手などの奉納武道大会、少女バレーボール大会、演芸大会、市中パレードなど、神振行事が行われて、大隅の町は大賑わいでした。
弥五郎どん祭りの様子
詳細情報
日時 | 毎年11月3日の文化の日 |
---|---|
場所 | 岩川八幡神社 住所:鹿児島県曽於市大隅町岩川5745 |
お問い合わせ先 | 一般社団法人 曽於市観光協会 住所:鹿児島県曽於市末吉町深川11050-1 電話:0986-28-0111 |
【参考】
- 曽於市教育委員会:『岩川八幡神社の弥五郎どん祭り』について
- 曽於市役所発行:2007鹿児島県曽於市勢要覧
- 弥五郎どん伝説の郷八幡神社パンフレット